小豆島ハウスは、建築専門雑誌を出版する新建築社が運営するイベント・ギャラリー機能を備えたワーケーション施設です。普段は一般公開されていませんが、イベント時などにご来場いただけます。瀬戸内地域の海運業で財をなした地域の名士・谷氏の邸宅であった1970年代の住宅を改修し、建物は母屋・離れ・蔵の3つから構成されています。まず、母屋は滞在制作に必要な簡易キッチン、お風呂の他、もとの和室をそのまま活用した宿泊機能を持つほか、デスクワークやディスカッション、集会などを行うことができる大きな吹き抜け空間があります。離れは、もとの外壁のみを残し、内部は一体的なスタジオ・ギャラリー空間に作り変えています。ここでは作品制作やワークショップに加え、その成果物の展示もできるような機能を備えています。蔵は、改修などで手をつけることはなくそのまま残し、制作のための資材倉庫として活用できるほか、この建物自体を制作の素材として自由に使っていただくことを予定しています。
小豆島ハウスは、古民家のように歴史的な価値をまだ持ち得ていない状態の昭和期の建物を改修しています。小豆島には、現在3000軒以上の空き家があると言われています。空き家となっている建物が建てられた年代は様々ですが、一般的に古民家とよばれる築100年を超えるもの以外にも、この谷氏の邸宅のように高度成長期に建てられた住宅は数多く存在しています。『小豆島ハウスプロジェクト』は、建築の多様な面白さを発信するメディアとして、このようなまだ価値づけされていない「空き家」をいかにして価値化し利活用可能かを考える実験場です。普段は、滞在型のリサーチや制作を行う施設として運用しますが、イベントや展覧会なども開催しています。
小豆島ハウスのある坂手地区には、「はまひるがお坂手」や「美井戸神社」の他、近隣地区には「馬木キャンプ」、「おおきな曲面のある小屋」、「石の島の石」など、 多くの建築プロジェクトがあるエリアです。小豆島ハウスの建築見学をご希望されるかたはinfo(at)shodoshimahouse.comにご連絡ください。
〒761-4425 香川県小豆郡小豆島町坂手甲1017
SHINKENCHIKUSHA SHODOSHIMA HOUSE
Architectural Design : SUNAKI (Toshikatsu Kiuchi , Taichi Sunayama , Takayuki Osuka)
Art Direction : Shinkenchikusha + SUNAKI(Toshikatsu Kiuchi , Taichi Sunayama , Mio Kawakubo , Takuma Shiozaki , Gaishi Kudo)
Structural Design : Hafnium architects(Hiroshi Fukuyama, Isao Inada, Takahiro Mashima)
Facility Design : TETENS ENGINEERING CO(Tomohiro Mano)
Construction : Uematsu Koumuten
Video : Kaori Yamane